裁量の基礎

FX AI研究所式 裁量トレードテンプレート|環境認識から分割決済・ゼロフロートまでの10手順

2026-07-03  / Ya

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ここまでの裁量トレードの基礎(STEP02)で学んだ知識、たとえばダウ理論の高値安値サポレジと流動性プライスアクションとFVG損切りと資金管理は、一つひとつは正しくても、実際のチャートを前にすると「結局どの順番で使えばいいのか」で手が止まりがちです。バラバラの部品を持っているのに、組み立て図がない状態ですね。このページでは結論から先にお伝えします。当研究所が検証に使っている裁量の手順を、上位足の環境認識から流動性の確認、Premium/Discount(戻りの深さ)、FVG・OBといったPOI(注目ポイント)、平均足の反転、試し玉、分割決済、出口管理まで10手順の「テンプレート(型)」として一枚に並べ直し、それぞれがどのページの知識に対応するかまで通しで示します。ただし最初にはっきりさせておきたいのは、これは「型の一例」であって聖杯ではないということです。細かいパラメータは相場や資金で変わりますし、この通りにやれば勝てるという話ではありません。手順の背後にある「なぜ」を持ち帰ってもらうことが、このページの目的です。

この記事では、次の6つのことが分かります。

  1. テンプレート(型)を持つ本当の価値は「勝率」ではなく「検証できること」にあるという考え方
  2. 入る前のチェックリストにあたる手順1〜6(環境認識→流動性→Premium/Discount→POI→平均足反転→試し玉)
  3. 入った後の運転ルールにあたる手順7〜10(複数エントリー→分割決済→建値ストップ→可能な限りゼロフロート)
  4. 各手順がSTEP02のどの学習ページに対応するかの早見表
  5. 同じ現象を「裁量用語↔SMC用語↔EAでの扱い」の三層で読む翻訳表
  6. このロジックの一部がどうEA化され、実績としてどこまで公開されているか

1. なぜ型が必要か? — テンプレートは聖杯ではなく「検証の土台」

テンプレート(型)とは、判断の順番と基準をあらかじめ固定した手順書のこと。勝率を上げる魔法ではなく、後から「どこが良かった/悪かった」を切り分けるための物差し(検証の土台)です。

裁量トレードで初心者がまずつまずくのは、手法の知識が足りないからではなく、「判断の順番が毎回変わってしまう」ことにあります。ある日は上位足から見て、別の日はいきなり5分足に飛び込む。ある日は損切りを決めてから入り、別の日は入ってから慌てて損切りを探す。この一貫性のなさが、負けた原因を後から検証できなくする最大の壁です。初心者のうちは目の前の値動きに気を取られ、手順が崩れてしまうケースが多く見られます。

だからこそ、テンプレートの本当の価値は「勝率を上げる魔法」ではなく、毎回同じ順番・同じ基準で判断することで、後から「どこが良かった/悪かった」を検証できるようにすることにあると考えるとよいでしょう。順番が固定されていれば、負けたときに次のように切り分けられます。

  • 環境認識(方向のバイアス)を間違えたのか
  • POI(注目ポイント)の選定を誤ったのか
  • 出口(分割決済・建値化)が早すぎた/遅すぎたのか

つまり型があると、負けが「ただの失敗」ではなく「次に直せる材料」に変わります。これは当研究所が掲げる検証メディアの姿勢そのもので、勝ち負けよりまず結果を再現可能な形で残せるかを重視しています。

研究員の一言

正直に言うと、この型を作った一番の動機は「毎回ちがう理由で入って、毎回ちがう理由で負けていた」自分を止めるためでした。型があると当たる回数はそんなに変わりませんが、「なぜ外したか」を言葉にできるようになります。当たることより、外したときに検証できることの方が、長く続けるうえでは効いてきます。

2. 入る前にどう見る? — 手順1〜3の環境認識で方向を一つに絞る

最初の3手順は「まだエントリーしない」準備段階です。ここを飛ばして下位足の値動きに飛び込むのが、飛び乗り(高値掴み)の典型パターンです。手順1〜3は次の順で進めるとよいでしょう。

  1. 上位足で方向を決める — 日足・4時間足で買い目線か売り目線かを一つに絞る
  2. 流動性を確認する — ストップ注文が溜まっていそうな「狩られやすい価格帯」を地図に描く
  3. 50%以上の戻り(Premium/Discount)を待つ — 深く戻ったゾーンまで待って損切りを近くする

手順1: 上位足で「今どちら向きか」を決める

まず日足や4時間足といった上位足を開き、ダウ理論の高値・安値の切り上げ/切り下げで大きな流れ(上昇・下降・レンジ)を判定します。この段階の目的はエントリーポイント探しではなく、「今日は買い目線か、売り目線か、それとも様子見か」という方向のバイアスを一つに絞ることです。上位足が下降なのに5分足の小さな上げで買う、といった逆張りを無意識にやってしまうのを防げます。これはマルチタイムフレーム(上位足→下位足)の基本姿勢そのものです。

手順2: 流動性(狙われやすい価格帯)を確認する

流動性狩り(りゅうどうせいがり/Liquidity Sweep)とは、多くの人が損切り(逆指値)を置く価格まで一度価格が伸びて注文を巻き込んでから反転する動きのこと。ダマシとして刈られやすい場所です。

次に、直近の目立つ高値・安値、キリのいい価格、レンジの上下端など、逆指値(ストップ注文)が溜まっていそうな場所を確認します。多くの人が損切りを置く場所は、一度そこまで価格が伸びて注文を巻き込んでから反転しやすい——これが流動性狩り(Liquidity Sweep)で、SMCの中心的な考え方です。「どこが狩られそうか」を先に地図に描いておくと、ダマシに巻き込まれる側ではなく、その反転を待つ側に回りやすくなります。

手順3: 50%以上の戻り(Premium/Discount)を待つ

Premium/Discount(プレミアム/ディスカウント)とは、直近の値動きを半値(50%)で割り、割高な上側ゾーンをPremium、割安な下側ゾーンをDiscountと呼ぶ考え方のこと。買いは割安側、売りは割高側で待つのが基本です。

方向と流動性が見えたら、いよいよ「どのくらい戻ってきたら入るか」です。当研究所式では、直近の値動きの半値(50%)以上戻った領域を一つの目安にします。上昇目線なら、価格が下方向へ深く戻った「安売りゾーン(Discount)」まで待って買う。下降目線なら、上方向へ戻った「割高ゾーン(Premium)」まで待って売る。浅い戻りで飛びつくと損切りが遠くなり、リスクリワードが悪化します。逆に言えば、深い戻りを待つほど、損切りを近く・利益幅を広く取りやすくなります。

先制注意 — 「浅い戻りへの飛び乗り」がリスクリワードを崩す

ここでの難所は、方向が合っていても戻りが浅いうちに飛び乗ってしまうことです。浅い位置で入ると損切りまでの距離が遠くなり、同じ損失額でもロットを小さくせざるを得ず、利益幅に対して損失幅が大きい不利なトレードになりがちです。「方向が合っている=今すぐ入る」ではなく、「方向が合っている→深い戻りを待つ」の二段構えを崩さないよう心がけましょう。待ちきれずに入ってしまうのは初心者に多く見られる失敗で、まずは見送る勇気を型に組み込むとよいでしょう。

50%を境にPremium/Discountを分けるPremiumDiscount50%
図: 上位足の方向と流動性、50%ライン(Premium/Discount)の位置関係のイメージ。深く戻った側で待つほど損切りが近くなる

AIで翻訳すると

「Premium/Discountで待つ」は専門的に聞こえますが、言い換えると「バーゲンセールになるまで買い物カゴに入れない」ということです。当研究所のAIは直近のXAUUSD(ゴールド)チャートで、浅い戻りで入った場合と半値以上まで待った場合とで、その後の値動きに対する損切りの近さがどう変わるかを検証データとして記録しています。※AIの解釈であり将来の成績を約束するものではありません。

3. どこで反転を確かめる? — 手順4〜6でPOIを絞り最小ロットで打診する

戻ってきた「ゾーン」の中で、さらにピンポイントの反応点を絞り込み、実際の反転の兆しを確認し、最小ロットで試すのがこの段階です。ここからが実際の仕掛けに入ります。使うPOIは主に次の3種類です。

手順4: FVG/OB/QMのPOIまで絞り込む

POI(ぴーおーあい/Point of Interest=注目ポイント)とは、Premium/Discountのゾーンの中で特に価格が反応しやすいピンポイントの価格帯のこと。当研究所式では主にFVG・OB・QMの3つを使います。

Premium/Discountのゾーンは幅があるので、その中で特に反応しやすいPOI(注目ポイント)を探します。当研究所式で使うのは主に次の3つで、いずれもSMC/ICTの入門ロードマップで扱う概念です。

  • FVG(Fair Value Gap): 勢いよく動いたときにできるローソク足の「空白」。価格が後でそこを埋めに戻りやすい性質を使います。プライスアクションの回で扱った「ヒゲと空白」の空白側です。
  • OB(オーダーブロック): 大きく動く直前の最後の逆方向ローソク。一般的な裁量でいう「反発したサポレジ帯」を、機関の注文が残る場所として読み替えたものです。
  • QM(Quasimodo): 一度高値/安値を抜けて(流動性を狩って)から反転する、肩・頭・肩に似た転換形。ダマシと反転がセットになった形です。

この3つはどれか一つでも構いませんが、複数が重なる場所ほど期待値の高いPOIと考えます。細かい判定基準(何本のローソクで見るか等)は相場ごとに調整する部分なので、ここでは考え方までに留めます。

手順5: 平均足の反転で「執行のゴーサイン」を待つ

POIに価格が到達しても、まだ入りません。POIは「入る候補地」であって「入る合図」ではないからです。当研究所式では、下位足の平均足(ヘイキンアシ)の色の反転を執行のトリガーにします。平均足はノイズを均してトレンドの向きを見やすくするローソクで、たとえば下降を示す色が続いた後にPOIで反転色に変わった瞬間を「流れが変わった兆し」と見なします。これはPOIという「場所の根拠」に、平均足反転という「タイミングの根拠」を重ねる作業です。根拠を一つに束ねる考え方はエントリーの基本型と共通です。

手順6: 試し玉(最小ロット)で反応を確かめる

反転の合図が出たら、いきなり本玉を入れるのではなく、最小ロットの「試し玉」から入ります。狙いは、自分の読みが当たっているかを実際の建玉で確認しつつ、外れたときの損失を最小に抑えることです。ここで必ず先に、損切り位置とロットを決めておきます。順番は次のとおりで、この順序を崩さないことが肝心です。

  1. POI(構造)の少し外側に損切りを置く位置を決める
  2. エントリー想定価格から損切りまでの距離(pips)を測る
  3. 1回の許容損失額(たとえば残高の2%)を、その距離で割ってロットを算出する

ロットは入力ではなく結果、という順番です。実額まで通すと、たとえば残高10万円で1回の許容損失を2%=2,000円とし、損切りまでの距離が20pips(ゴールドの1pips=0.01ロットあたり約10円と仮定)なら、次のように計算できます。

許容損失額 ÷ (損切り距離 × 1ロットあたりの1pips損益) = ロット → 2,000円 ÷ (20pips × 100円/pips) = 1.0ロット相当。

同じ2%ルールでも残高が変われば許容額が動くため、率だけでなく実額に落として確認しておくとよいでしょう。次の3列スケール表は、1回2%・損切り20pipsという同一条件で残高だけを変えた対比です。

①口座残高 ②1回の許容損失(残高の2%) ③損切り20pips時の目安ロット
10万円 2,000円 約1.0ロット相当
30万円 6,000円 約3.0ロット相当
100万円 20,000円 約10.0ロット相当

※上表は「損切り距離から逆算する」考え方を示す一般的な計算例で、通貨や取引条件で1pipsあたりの損益は変わります。当研究所の実績を示すものではありません。

場所とタイミングが揃ってから打診POI到達平均足反転色試し玉
図: POI到達 → 平均足の反転色 → 試し玉の流れのイメージ。場所の根拠とタイミングの根拠が揃ってから最小ロットで打診する

4. 入った後はどう守る? — 手順7〜10の建玉管理で出口を設計する

ここからは「入った後」の管理です。裁量で差がつくのは、実はエントリーより出口(建玉管理)だと当研究所は考えています。同じ場所で入っても、出口の設計次第で成績はまるで変わります。手順7〜10は次の4段構えです。

  1. 順行を確認できたら複数エントリーで積み増す(手順7)
  2. 分割決済で一部を利益確定しながら残りを伸ばす(手順8)
  3. 残りの損切りを建値まで引き上げる(手順9)
  4. 建値を保ちつつ次の目標まで伸ばして最終決済(手順10)

手順7: 反応を確認できたら複数エントリーで積み増す

増し玉(ましぎょく/ピラミッディング)とは、順行を確認できた分だけ同じ方向にポジションを乗せていく手法のこと。逆行するほど買い増すナンピンとは正反対の発想です。

試し玉が想定どおりに含み益方向へ動き、読みの正しさが確認できたら、次のPOIや押し目で2つ目・3つ目のエントリーを積み増す(複数エントリー)ことを検討します。ポイントは、最初から最大ロットを一点に置かず、正しさが確認できた分だけ乗せていくという発想です。これは逆行するほど買い増すナンピンとは正反対で、順行を確認しながら乗せる「増し玉(ピラミッディング)」に近い考え方です。ナンピンの危険性はD08で数値を開示しているとおりで、ここでは「逆行に乗せない」を原則にします。

手順8: 分割決済で「利益を確定しながら伸ばす」

利益が乗ってきたら、全部を一度に決済せず分割して利益確定します。たとえば最初のTP(利益目標)で建玉の一部を決済して利益を現金化し、残りは伸ばす。こうすると「早く利確しすぎて伸びを取り逃す」後悔と、「欲張って全戻しされる」後悔の、どちらも和らげられます。一部を確定させることで心理的な余裕が生まれ、残りを冷静に伸ばしやすくなるという実践的な効果もあります。

手順9-10: 建値ストップで、可能な限りゼロフロートを目指す

ゼロフロート(建値以下にしない)とは、分割決済後に残った建玉の損切りを建値(エントリー価格)まで引き上げ、含み損(フロート)を可能な限りゼロ以下にしない状態を目指す考え方のこと。絶対に負けない仕組みではありません。

分割決済で一部を確定したら、残りの建玉の損切りを建値(エントリー価格)まで引き上げるのが手順9です。こうすると、そこから先はほぼ「負けない建玉」になります。この状態を目指す考え方を当研究所ではゼロフロート(建値以下にしない)と呼んでいます。フロート=含み損を、可能な限りゼロ以下にしない、という意味です。

手順10は、その状態を保ちながら残りを伸ばし、次のPOIや流動性の目標で最終決済することです。ここで大切なのは「可能な限り」という言葉で、相場は連続的に動くとは限らず、窓開けや急変で建値ストップを飛び越えて滑ることもあります。ゼロフロートは絶対に負けない仕組みではなく、負ける確率を下げる姿勢だと理解してください。

先制注意 — 建値ストップで刈られてから伸びる「あるある」

建値まで損切りを上げると、ちょっとした戻りで刈られて、その後に価格が伸びていくのを指をくわえて見る——これは実際によく起こります。取り逃した悔しさから建値化そのものをやめたくなりますが、それでも建値ストップを基本にするのは、一回の大負けを避けることが長期の生存では効いてくるからです。取り逃した利益は次で取り返せますが、大きな損失は資金そのものを削ります。刈られること自体は失敗ではない、と捉えておくとよいでしょう。

順行後は建値化と分割決済で守る試し玉増し玉一部決済SL建値最終決済ゼロフロート
図: 試し玉 → 増し玉 → 分割決済 → 建値へ(ゼロフロート) → 最終決済という建玉管理のイメージ

研究員の一言

初学者がここで一番つまずくのは「建値まで損切りを上げると、ちょっとした戻りで刈られて、その後に伸びるのを指をくわえて見る」ことです。実際よく起きます。それでも当研究所が建値ストップを基本にするのは、一回の大負けを避けることが、長期の生存では利益を最大化することより効くからです。取り逃した利益は次で取り返せますが、大きな損失は資金そのものを削ります。

5. どの手順がどのページ? — 10手順と学習ページの対応早見表

このテンプレートは、STEP02で個別に学んだ知識を「実行順」に並べ直したものです。どの手順がどのページに対応するかを一枚で整理しておくと、詰まったときに戻る場所が分かります。

手順 やること 対応する学習ページ
1 上位足で方向を決める D03 ダウ理論D02 チャートの基本
2 流動性を確認する D04 サポレジ・流動性
3 50%以上の戻り(Premium/Discount) D07 押し目・戻りD09 SMC入門
4 FVG/OB/QMのPOIに絞る D06 プライスアクション・FVGD09 SMC入門
5 平均足の反転で執行 D06 プライスアクションD07 エントリーの型
6 試し玉・損切りとロット D08 損切り・資金管理
7 順行確認で複数エントリー D08 資金管理(ナンピンとの違い)
8-10 分割決済・建値ストップ・ゼロフロート D08 損切り・資金管理

裁量で使うときのコツは、1〜6を「入る前のチェックリスト」、7〜10を「入った後の運転ルール」として分けて持つことです。特に手順6までに損切りとロットを確定させ、入った後は感情で建値ストップや分割決済のルールを崩さない——この線引きが、飛び乗りと塩漬けの両方を防ぎます。

6. 三つの言葉でどう読む? — 裁量↔SMC↔EAの翻訳表

このテンプレートは一般的な裁量の言葉、SMCの言葉、そしてEA(自動売買)での扱い、という三つの層が重なっています。同じ現象を三つの言葉で読めるようになると、SMC16記事EAライブラリへ進んだときに迷いません。

一般的な裁量用語 SMC用語 EA(自動売買)での扱い
サポレジでの反発 オーダーブロック(OB) 価格帯(ゾーン)への到達を条件式で判定
ダマシ・ヒゲで刈られる 流動性狩り(Liquidity Sweep) 直近高安のブレイク後の反転を検出
勢いのあとの窓・空白 FVG(Fair Value Gap) 連続足の値幅ギャップを数値で抽出
半値戻し・深い押し Discount / Premium ゾーン 直近レンジのフィボ比率で領域を計算
反転の合図・ローソクの転換 平均足の色転換・転換形(QM) 平均足の色をシグナルとして参照
建値にストップを上げる ゼロフロート(建値以下にしない) トレーリング/建値SLを自動で移動

7. EAを見る目にどう活きる? — このロジックの一部はEA化されている

このテンプレートの考え方の一部は、実際に当研究所のEAへ落とし込まれています。たとえばSMC Gold Sniperは、ゴールド(XAUUSD)のM30で、SMC的な構造と平均足・パラボリックを組み合わせて検出するEAで、2018〜2026年のバックテストでPF1.87・最大DD8.2%という数字を出し、現在フォワードテスト中です。人間が「POI→平均足反転→試し玉」と目視でやっていることの一部を、条件式に翻訳したものと考えると分かりやすいと思います。なお、これらは過去の相場で計測された数値であり、将来も同じとは限りません。

裁量のテンプレートを持っていると、EAの成績表を見るときの解像度が上がります。「このEAは何を根拠に入っているのか」「どこで利確し、どこで損切りしているのか」を、自分の手順に照らして読めるからです。逆に、根拠を説明できず勝率だけを強調するEAには警戒できます。数字そのものの読み方はEA成績の見方(PF・最大DD・期待値)で、危険なEAの見抜き方は危ないEAのチェックリストで扱っています。

先制注意 — 「勝率だけを強調するEA」で見るべき逆引きチェック

根拠を語らず数字だけを見せるEAは、都合の悪い情報を伏せていないか疑ってみるとよいでしょう。次のような項目が開示されていないEAは、見た目の勝率がよくても注意が必要です。

  • 最大ドローダウン(最大DD)が示されているか
  • 含み損(未決済の評価損)のピークが分かるか
  • ナンピンや増し玉の回数・段数が明記されているか
  • 入る根拠(なぜそこで建てるか)が説明されているか
  • バックテストだけでなくフォワードの結果があるか

これらは当研究所が実績側で開示しようとしている項目でもあります。「勝率」という一つの数字だけで判断せず、裏側の代償まで並べて見る姿勢を持つとよいでしょう。

なお、当研究所のもう一つの検証枠であるMAC v2.0は、SMCベースにナンピン(1.2倍×最大15段・間隔30pips・TP15pips・ハードSLなしのEA管理)を組み合わせた、このテンプレートとは対照的な高リスク設計です。手順7で述べた「逆行に乗せない」原則とはあえて逆のロジックで、含み損の膨らみ方まで含めて検証・公開しています。型の一例に対する「反例」として並べて見ると、資金管理の重要性がより立体的に理解できます。

8. 朝のAI分析にどう使う? — テンプレの前半をAIが翻訳する

当研究所では平日の朝に、AIがこのテンプレートの前半(手順1〜4)に沿って相場を読み、環境認識のポストを配信しています。具体的には、複数時間足のチャートをAIが読み、上位足の方向、狙われやすい流動性、Premium/Discountの位置、注目したいPOI(FVG/OB)までを言語化します。人間が数十分かけてやる環境認識の下準備を、AIが翻訳して提示するイメージです。

先制注意 — 配信しているのは「指示」ではなく「観察」

ただし配信しているのはあくまで観察と分析であって、「ここで買え・売れ」という指示ではありません。手順5以降(平均足の反転で執行、試し玉、建玉管理)は、実際の値動きとその人の資金・許容リスクに依存するため、機械的に断定できる部分ではないからです。AIは「難しい検証を翻訳する道具」であって聖杯ではない——この線引きが、当研究所がAIを使うときの基本姿勢です。

AIで翻訳すると

「テンプレートに沿ってAIが読む」とは、専門用語だらけの環境認識を、AIが毎朝ぶれない順番で「今は買い目線/売り目線、狙われそうなのはこの高安、戻りはこのゾーン」と平易な文章に言い換える、ということです。当研究所はさらに、その日AIが挙げたPOIでその後どう動いたかを検証データとして残し、当たった日も外した日も記録しています。※AIの解釈であり将来の成績を約束するものではありません。

9. 守れているかどう示す? — 実績を負けまで含めて公開する

テンプレートを公開する以上、「言った通りに守れているか」を結果で示すのが検証メディアの責任だと考えています。当研究所は実績ダッシュボードで、週次・月次の成績を、負けた月・最大ドローダウン・含み損・ナンピン回数まで含めて公開しています。テンプレートが立派でも、実際のRR分布や勝敗がそれを裏づけていなければ意味がありません。うまくいった手順だけでなく、型を破って負けたケースも含めて確認できる状態を目指しています。「言って・やって・結果も出す」——これが売り込みの代わりに当研究所が積み上げたい信頼の形です。

10. まとめ — 型は勝率ではなく「検証できること」に効く

常に思い通りに機能するわけではありませんが、判断の順番を固定するという考え方を押さえておくと、暗記した知識をバラバラに使うより確かな土台になります。FX AI研究所式の裁量テンプレートは、次の一本の流れです。

  1. 上位足の環境認識(手順1)
  2. 流動性の確認(手順2)
  3. 50%以上の戻り=Premium/Discount(手順3)
  4. FVG/OB/QMのPOI(手順4)
  5. 平均足の反転で執行(手順5)
  6. 試し玉(手順6)
  7. 順行確認での複数エントリー(手順7)
  8. 分割決済(手順8)
  9. 建値ストップ(手順9)
  10. 可能な限りゼロフロートで伸ばす(手順10)

前半6手順は「入る前のチェックリスト」、後半4手順は「入った後の運転ルール」と覚えるとよいでしょう。繰り返しになりますが、これは型の一例であって聖杯ではありません。細かいパラメータは相場や資金で変わりますし、この通りにやれば必ず利益になるとは限りません。それでも、毎回同じ順番で判断することで「なぜ負けたか」を検証できるようになる——その一点だけでも、暗記した知識をバラバラに使うより前に進めます。次は概念をさらに深めるためにSMC/ICT入門ロードマップへ、ロジックがどう自動化されるかを知りたい方はEAライブラリへ、実際に守れているかを確かめたい方は実績ダッシュボードへ進んでみてください。全部を自分で判断する前に、EAの挙動だけを少額で観察したい方には、海外業者・高リスクの検証枠としてコピートレード(HFM)という選択肢もあります(前面に推奨するものではなく、必ず下のリスク開示をご確認ください)。

よくある質問

Q1. このテンプレート通りにやれば勝てますか?

A. いいえ。これは判断の順番を固定して「なぜ負けたか」を検証できるようにするための型の一例で、勝率を保証するものではありません。相場は何が起きるか分からず、損失が生じる可能性は常にあります。細かいパラメータもご自身の資金と相場に合わせて調整が必要です。単一の正解値があるわけではないと捉えておくとよいでしょう。

Q2. 「ゼロフロート」なら絶対に負けないのですか?

A. いいえ。ゼロフロートは分割決済後に損切りを建値へ上げて含み損を残さないことを「目指す」姿勢で、絶対に負けない仕組みではありません。窓開けや急変で建値ストップを飛び越えて滑ることもあります。負ける確率を下げる考え方だと理解してください。

Q3. 手順7の複数エントリーはナンピンと同じですか?

A. 逆です。ナンピンは逆行するほど買い増して平均取得単価を下げる手法で、D08で数値を開示しているとおりハードSLなしでは危険が伴います。手順7は順行を確認できた分だけ乗せる増し玉で、方向がまったく異なります。

Q4. 損切り位置とロットはどちらを先に決めますか?

A. 先に損切り位置を決め、そこまでの距離からロットを逆算するとよいでしょう。ロットは入力ではなく結果、という順番です。同じ2%ルールでも残高によって許容額と目安ロットは変わるため、率だけでなく実額に落として確認する習慣を持つと、想定外の損失を避けやすくなります。

リスク開示

本ページは投資助言ではなく、当研究所による分析・検証情報の提供です。過去の実績(バックテスト/フォワード含む)は将来の利益を保証しません。海外業者(HFM等)は高レバレッジのリスクがあり、当研究所では少額・高リスクの検証枠と位置づけ、運用の主軸は国内業者(JFX/OANDA)です。FX・自動売買は損失が生じる可能性があります。必ず余剰資金で、ご自身の判断と責任で行ってください。